MUKU-DATA  椨(たぶ)一枚板 3m材  新潟市T様


新築中のお宅にこのタブノキを使う事になり
先日設計士さんとこれを加工する木工所さんが材の確認に来られた。
長さ、巾、どこを残してカットして作るか?が主な内容。

何点かこの椨のポイントとなるキャラクターが存在する。
巾が大き過ぎるので巾を少し落とさなきゃいけないので広い部分をカット
巾広の部分はY字二股になっている部分でUの曲線を残す為、カットラインを訂正
そして辺材部分にボコって飛び出た瘤
これは意見が分かれる。
見た目はボコッとしてなんだか間抜けでスマートではないし、
座るとちょうど腹の付近に出っ張りがくるので邪魔になるかもしれない。
使い勝手から考えると使いずらいかもしれない。
でもきっとこの瘤を残したら、ここへ座った人はきっと無意識に瘤を撫でているんだろうと思う。
そしてセンター付近の凹み、これは埋木をせずにこのままいこう事に。

子供たちってこういうの好きなんだよねぇ~って建築家が呟いた。
消しゴムのカスを入れたり、おもちゃの基地にしたり、、云々


こういった瘤や割れ、穴、凹み、節などは
銘木が良く使われていた頃は、欠点とみなされ、それらを取り除きキレイな部分のみを残して販売されていた。
一方海外ではそれらはその木だけが持っているキャラクターとして捉えられて
それらを活かす使い方が当たり前のように行われていてLive edge woodなる言葉も存在する。
ようやく木の国日本でも、こうした色んなキャラは受け入れられて
今や当たり前になっている。
割れている木の方がカッコイイじゃん、って事も普通にある。

そのままの姿、
これらに毎日触れる事で
子供たちの感性はどれだけ豊かになっていくんだろうと思う。
凹みに物を入れ、出っ張りにぶら下がる。無邪気な野性なんだと思う。

実は大人たちも忘れてはいないだろうか?
奥へ仕舞いこんでしまった無邪気な心を取り戻そうよ。